夏休みはやっぱり短い

次にわたしの短い夏休みで観たもの、感じたものの備忘録。

◆長野陽一 料理写真展「大根は4センチくらいの厚さの輪切りにし、」
その日渋谷で用事があり、次の日本橋での用事までにかなり時間が空いてしまったので近くで行ける展示を探していたら銀座のガーディアン・ガーデンでやってるこの展示がヒット。無料だったので見に行きましたが、そういえば写真展って久々、といっても今年の報道写真展は見に行ったんですが、小さいギャラリーでやってるの見るのは久しぶりかもーと思いながらワクワクしながら見ました。ちなみに内容はとっても良かったですよ。なんといっても料理写真は美味しそうに見えるもの、食べものの温度やにおいが感じられること、そういうことが大事だと思うのですがどうですか?長野陽一さん、きっとまたどこかで名前を見る気がします。

◆ナショナル・シアター・ライブ『リア王
そこから急にウォーキングモードになり、てくてく歩いて日本橋へ。途中はんちゃんと電話しながらひたすら歩く。時に迷子になり、時に香山雄三の展示会場に出くわし、無事映画館へ。楽しみにしていたナショナル・シアターの『リア王』。もう何度も見てきたけど、リア王で泣いたのはこれが初めてかもしれない。本場の力、恐るべし。これ、今シリーズでやっているんですが全国で観られるので本場の芝居が見たいわあと思ったら是非調べてみてください。

◆ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて
東京都現代美術館、行ったことがなかったので行ってみた。建物かっこよかった。もうひとつの常設展を目当てに行ったのですが、時間もあるし見てみようかなという軽い気持ちで入ったら超楽しくてサイコーでした。特にJAXAの宇宙芸術研究を紹介する1時間弱のVTRがあったんですが、もう我を忘れて見通しました。芸術っていうのは、これまあ失礼なんですけど、芸術に関心のない人からしたらもうあほらしくてしょうがないんでしょうね。いやもう、わたしはどちらかといえば関心のある方だと思っていますけど、それでももう、その研究にその熱量はんぱない!と思ってしまいました。
例えば「宇宙でお茶を立てる」という日本らしさを取り入れた宇宙芸術研究の紹介。「宇宙空間でお茶を立て、飲む!なんと素晴らしい事か!これぞ日本の美!」と言わんばかりに研究を重ね、出来上がったのが透明の球体におしゃぶりのついたコップ。その中に抹茶の粉末をカプセル状にしたものを入れ、お湯を入れ、おしゃぶりのさきに付いた茶筅でウワアアアアとかき混ぜる。茶筅だけ抜く。おしゃぶりを使って飲む!以上!これぞ芸術ウウウウウ!とかね。もうめっちゃ楽しかった。宇宙飛行士の若田さん、めっちゃ頑張ってた。
あと若田さんで言うと、天女の恰好をして踊るっていう、エキセントリックかつコンテンポラリーな芸術表現。若田さん身体張りすぎ・・・
感動するものもたくさんありました。無重力状態でできる球体の水(雫のようなもの)に塗料を注入するとどんな模様が出来上がるのか。これ、研究を重ねていくたびにどんどん素敵な模様になっていってめちゃくちゃ感動しました。とかね。
あとは宇宙生活での飛行士たちのストレス軽減のために日本人が楽器作ったりとか。それからわたしの好きな谷川俊太郎の詩「二十億光年の孤独」で出てくる一節も展示されていました。「万有引力とは引きあう孤独の力である」。何回読んでも泣けるね。
宇宙と同じように、宇宙芸術にも無限の可能性があるってことを知りました。今まで触れたことのない分野だったので発見も多く、とても有意義な時間でした。

◆開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-
実はこれを目当てで行ったのです。1995年といえば前にもあげたオウムの事件、それから阪神淡路大震災の年。村上春樹の本を読み終えた時期だったので何か感じるものがあって行きました。結果として、展示されているもののなかにはわたしが強くインスパイアされたものはなかったんですが、展示を観に行くと必ずある学芸さんたちによる説明文って言うんですか?導入文って言うんですか、そこの中に先に挙げた「あいまいな日本の私」が出てきたんです。これは帰ってから絶対に読もうと思いました。それから写真展示についていた作品タイトル「見ることは信じること」というのも良かったです。でも誰の作品か思い出せない。もうだめだ。

というわけでざっとわたしの夏休み備忘録終了。夏休みはやっぱり短い。やりたいことがたくさんありすぎる(これ、某有名な大江千里さんの「夏の決心」の一節ですが、昔ポンキッキーズでこの曲に合わせて女子たちがラインダンスするのを見るのがとっても好きだった。小さい頃の夏の思い出のひとつ。)