雨の日

雨の休日。午後から仙川の劇場に芝居を見に行く。この劇場は安藤忠雄大先生が設計した劇場で、駅から歩く道の先に劇場の輪郭が見えるだけで心が高ぶるのだった。安藤忠雄作品を見ること自体が久しぶりだったので嬉しい。


芝居は代理母出産を巡る話。日本では代理出産に関する法律がないので人々の理解度は低い。なので代理出産の現状や問題点を提起するという意味では、上演する価値を強く感じられた。じゃあこの演出家が代理出産に対してどのような考えを持っているのか?そこまでは見えてこなかった。練り直す価値のある作品だと思う。


吉祥寺までの直通のバスがあると知り、帰りはバスに乗る。途中、大きな団地の中をバスが走る。昔は団地に住んでいたので、懐かしさが込み上げる。今は団地をリノベーションして住む若い人達が増えているらしいが、わたしが住んでいた社宅は綺麗さの欠片も無かったな。少し道を外れると、怪しい行き止まりや倉庫にぶち当たる、なかなかファンキーな団地だった。団地らしく、人間関係もややこしくて、二度と住みたいとは思わないけれど、確実にわたしの記憶の中に、あの風景はあるのだ。


最近仲良くなった、一回り年の離れたお姉さんの影響もあり、スピリチュアルなこと、宗教的なこと、大まかに言えばこの世界の概念のようなものにとても興味があり、本を読んでいる。そもそものきっかけは英会話の勉強を初めたことだった。海外に暮らす人々のことを知りたい、話をしたいと思った時に、日本人と大きく違う考え方が海外の人たちにはあって、それが宗教だった。自分の意思ではない、何か大きな概念的ルールによって営みをおくる人々の気持ちを、理解したかった。(わたしはいつも理解したがる。きっとそれはわたしのことを理解してほしいという気持ちに繋がっている気がする。)


そうして本を読み始めた。最初に選んだ本が正解で、そもそもの宗教というものに対する日本人の考え方を、わたしたちはもう一度改めなければいけない、というようなことが書いてあった。宗教を正しく理解することがまず第一歩なのだと。


バスが吉祥寺に着いた。続きはまた書きます。