残暑の候

残暑厳しい9月の下旬、みなさまいかがお過ごしでしょうか。暑すぎ。

今月末から、パートナーの家族に会うために2年ぶりにヨーロッパに行くことになった。2年前はコロナに対する不安でソワソワしていたが、今回もまた別の命の危険を感じながら渡欧することになる。

飛行機に乗る前は、いつも「これで死ぬかもしれないから、幸せだったことを思い出そう」ムーブに入る。長期の海外旅行はこれで3回目か。1度目が27歳の秋冬?2度目が33歳の夏秋、そして35歳の秋。初めてロンドンに一人旅をした8年前と比べると、随分と遠いところまで来てしまった。欲しいと思ったものは大体手に入れて来た、ラッキーな人生だとしみじみ思う。

日々嫌なこと、しんどいこと、大変なことに溢れているが、なぜかいつも心の中にあるのは「今死んでも後悔しない」という気持ち。なぜなんだろう?まだまだやりたいことはたくさんあるし、行きたい場所も、見てみたいものも数え切れないくらいあるのに、ちっとも口惜しさがない。振り返れば散々な経験もしてきたはずなのに、いざ思い出そうとすると幸せだったことしか思い出せない。これからのことを思うときも、こんな社会で生きなければならないという絶望に反して、なぜか希望に満ちている。自分のことを大切に想ってくれる人がいて、この人とならこの先の人生を一緒に過ごしてもいいかもなと思える人がいる。それが今の幸せの一端を形作ってくれていることに間違いはないが、たとえこの先また独りになろうと、それでも楽しく生きていくんだろうよお前は、という信頼が自分に対してある。これが自己肯定感というものなのだろうか?自己信頼性というほうが正しいのか?とにかく、わたしは人並みにコンプレックスを持ち、どちらかといえばシニカルな感受性に溢れた人間であることは間違いないし、これからもたくさん間違いを犯すだろうが、命が終わるまでは、やりたいことをやって、やりたくないことをできるだけやらずに、しぶとく生きていくだろう。それが、わたしの人生なんだろう。

35歳も半分を過ぎた。いつこの人生が終わるかは分からないけど、終わるまでは自分を信じて一生懸命生きていこう。