しずかな若者

はてブロに変えたはいいが、動画が貼れないのと接続が悪いのとでなんとなく使いづらい。記事だけ移してまたJUGEMに戻そうかな。。

「アイズワイドシャット」
R氏が薦めてくれたので観た。時計仕掛けのオレンジぶりのキューブリックだ!おもちろかった!ああいう終わり方好きだわあ。あとわたしトムという名前の人好きね。ハンクスにクルーズね。

「バージンスーサイズ」
これもR氏推薦。コッポラ作品だったので期待したがそこまでだった。ロストイントランスレーションの衝撃が強すぎて物足りず

「ウォールフラワー」
これは映画館で観た。ふぉー素敵な青春映画だったぜ!心がスカッとしますね。エマワトソンがかっこかわE!わたしにはこんな17歳の時代は訪れなかったが、どうしてこんなに既視感と切なさを感じるのかな。

霊的探訪/辛酸なめ子
これは職場の受付さんが貸してくれたエッセイなんですが、端的に言うとスピリチュアルの世界に傾倒している辛酸さんのスピリチュアルな日々の記録です。ほぼ知識のない世界の話なので、まあ興味深く読みました。まずそういう世界の人は宇宙人のことを「スペースブラザーズ」って言うんですね。しょっぱなから笑いました。あとその世界ではイルカがとても神聖な生き物なんですね。まあ詳しくは直接話しますよ

海炭市叙景佐藤泰志
ついに読み終わってしまいました・・・涙。この作品は明らかに佐藤泰志が次のステップに進もうとしていた作品だったな。これまでのどっちかというと私的な世界、「わたし」を中心とした世界と「その周りの人たち」を描いた作品とは違って、いわゆる第三の視点、神の視点から世界を描き出していて、感傷的で鮮やかな、どこかに生きている誰かの小さな世界の集合体としての「海炭市」が、まるで今もそこに在って呼吸がなされているような鮮明さで描いてあった。誰かの小さな世界は「わたし」の世界でもあると同時に顔も知らない「他人」の世界でもある。近代化していく町の中で変わってしまう人々の心、そして変わらずにやってくる次の季節が、光の現れ方の経過と共に映し出されて、読んでいる間ずっと光の中にいるような心地だった。この短編集には続きがあって、しかし佐藤泰志はこれを完遂することなくその生涯を終えてしまった。まだまだこの町の続きを読みたかった。
このいくつもの短編の最後のタイトルは「しずかな若者」。大学生活の夏の間、親の別荘があるこの海炭市でひと夏の限られた時間を本を読んだり喫茶店に行ったり、海に行ったり女の子にナンパされたりしながら一瞬の刹那を楽しんでいる。この夏が終われば彼は首都(佐藤泰志の作品では、東京のことをいつも首都と呼んでいる)に帰る。はたから見ればどうしようもない体たらくな今の自分と、読んでいる本の内容を照らし合わせながら、やがて来る次の季節を待ちわび、物思いにふける。この限りある時間も、海炭市に訪れた短い夏も、彼の中ではぼんやりとしかし確かに刻まれていて、自分のこれからの人生を想う。「太陽には何も隠してはいけないんだ」小説の一節がふと浮かんで、人は生きていくうえでたくさんのものを脱ぎ捨て、妥協して、時には我慢して生きていかなければならないが、太陽から隠れ続けるような、そんな人生だけは歩むことのないよう生きて行こうと決意する。それは19歳の青年の、若く、幼く、力強い決意である。
はあ。この短編大好きだな。というわけで佐藤泰志の文庫本を一通り読んで、好きだったランキングを唐突にお伝えします。

1位 そこのみにて光り輝く
2位 職業訓練校で野球する話(タイトル忘れた)
3位 しずかな若者

タイトル忘れたんかーい!!