雪の降る街

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2014年2月、半世紀ぶりの大雪が東京の街を覆った。突然訪れた非日常に人々が混乱するなか、彼女は、わたしは、嬉々として雪の道を闊歩したのだった。


踏みしめて感じた非日常、白に染まった街で、おろおろと進む自動車、軽々と赤信号を渡る人々、しんと冷えていく外気、窓から見える雪の姿。いつか見た、北の地の記憶が鮮やかに蘇る。


いつかこの非日常が日常になるとき、わたしはその日常さえも嫌になってしまうときが来るのだろうか。嬉々として歩いた雪の上を、自転車で通ろうとすると上手く走れなくて歯がゆく思うみたいに、わたしの気持ちの置き場所次第で簡単に変わってしまうような夢なのだろうか。


また、近いうちに行かねばと、思う。わたしの気持ちを確かめるために、ひとりで、独りきりで行かねばと、思う。