それだけではだめなのかしら

今日は切ない曲を聴きすぎた。

これ聴いて、駅までの道を歩いていたらなんだか泣きたくなって、夜にのみこまれそうだった。いつもは片耳だけで聴く音楽も、歩きの時は両耳にイヤフォンをねじこんで、身体ごと音楽の中に入っていく。音楽がわたしの身体に入ってくるのではなく、音楽の中をわたしの身体が泳いでいく。白いワンピースを着て、暗い森の中をワルツを踊るようにさまよって、たどり着いた月の灯りがゆらゆらと煌めく湖に静かに沈んでいく。髪の長い、肌の白い、女の子は水に濡れて、ふと振り返ると誰もいない、のに、誰かに呼ばれた気がして、そのまま力を抜いて、湖の上に浮かんで、視界には群青色の夜空と、ぽっかりと浮かんだ月だけが見える。

そういう景色を、音楽はわたしに見せてくれるのだ。実際には経験したことのない、見たことのない景色を、音楽が見せてくれる。

貼った動画は、今よく聴いているakira kosemuraの「Light dance」という曲。わたしはこの曲をタイトルを知らずに初めて聴いて、今書いたような景色が頭に浮かんで、聴き終えてちょっと泣きたくなって、タイトルを見て心底驚いた。月明かりのなかでダンスを踊る少女の姿が、わたしには確かに見えたのだった。

最近また昔のドラマにはまってそればっかり見てたから映画あんま見ていないな。ここ2週間でやけにトヨエツに詳しくなってしまった(ドラマの影響)

Mr.&Mrs.Smith」□洋画56本目
ブラピとアンジー♡話は普通、美しさは極上

「Patch Adams」□洋画57本目
これはMr.チャールズが薦めてくれた映画。ちょっとベタすぎるところもあったけど、ちょっぴり泣けて悪くない映画でした。

春の鳥/国木田独歩
これは独歩先生の代表作のひとつです。主人公の青年と白痴の少年とを巡る日々の話。ラストシーンがとても良いです。自然の美しさが、懇切丁寧に書かれているわけではないのにありありと浮かぶさま。さすがです。

春は馬車に乗って/横光利一
ずっと読もう読もうと思って読んでなかった横光利一についにトライ。川端康成なんかと一緒に新感覚派としてひとつの潮流をつくった作家ですが、何年たっても古びないこの文体。良いものは残っていく、それに尽きる。暗澹とした生活の中に一際鮮やかに浮かぶダリアの花。春は、馬車に乗ってやってきた。是非読んでみてください。

 

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