名もない街の、あてのない散歩
短い恋、終わらない季節。
あっ。と思った時にはスルッと手からこぼれ落ちてしまうようなこの気持ちを、どこに持っていけばよいかわからないな。秋だから、寂しくて、恋に恋している。自分でもわかってる。それでもこんなわたしを許してほしい。
昨日、親しいひとの新事実を又聞きしてしまって、ああ、あの人もまた、おとこのひとなのだなあと感じるのだった。どうしてひとりじゃだめなんだろう?どうして愛はしぼんでしまうんだろう?どうして思い続けることはこんなにも困難なのだろう。わたしはあなたの見た目も中身も好きだけど、外側を繕うだけでは、いつか綻びがでてしまうよ。誰かが傷つくまえに、できる限りの幸福に近いかたちが見つかりますように。
ちいさな街で、それでもたくさんの人がいて、あてもなく歩いていたら繋がって、それでどうする?灯りはだんだん消えていく、エンジンの音は遠ざかっていく、時間は一刻と過ぎ去っていく。つないだ手からこぼれるしあわせが、もっとしあわせになりたいと叫んでいる。